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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
母子草
一
そのあいだ曹操は落着かない容子に見えた。しきりに結果を待ちわびていたらしい。
「ただいま立ち帰りました。遠く追いついて、蔡夫人、劉※(「王+宗」、第3水準1-88-11)ともに、かくの如く、首にして参りました」
于禁の報告に接して、初めてほっとした態である。劉表の血族は、これでほぼ絶えたに近い。運の末こそ哀れである。――曹操は一言、
「よし」と、云ったきりであった。
また彼は、多くの武士を隆中に派して、孔明の妻や弟などの身寄りを詮議させていた。
曹操が孔明を憎むことはひと通りでなかった。
「草の根を分けても、彼の三族を捕えてこい」
という厳命を発している。命をうけた部将たちは、手下を督励して、かの臥龍岡の旧宅をはじめ近村あまねく捜し求めたが、どうしても知れなかった。すでに孔明はこのことあるを知って、家族を三江の彼方へくらまし、里人も皆、彼の徳になついているので、曹操の捕手にたいして、何の手がかりも与えなかった。
こんなことに暇どっている一方、曹操は毎日、荊州の治安やら旧臣の処置やら、また賞罰の事、新令発布の事など、限りもない政務に忙殺されていた。
「丞相。