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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
覆面の船団
一
「先生、いよいよ日限は、こよい限りですな」
魯粛が、様子を見に来ると、孔明は待っていたように、
「そうです、こよい一夜となりました。ついては、大儀ながら粛兄にも、一緒に来ていただけますまいか」
「どこへですか」
「江北の岸へ」
「何をしに?」
「矢狩りに参るのです。矢狩りに……」
孔明は、笑いながら、怪訝がる魯粛の手をとって、船の内へ誘い入れた。
覆面の船団
一
夜靄は深くたれこめていた。二十余艘の兵船は、おのおの、纜から纜を一聯に長くつなぎ合い、徐々と北方へ向って、遡航していた。
「とんと、分りません」
「何がです」
「この船団の目的と、先生の心持が」
「は、は、は。今に自然お分りになりますよ」
先頭の一船のうちには、孔明と魯粛が、細い燈火の下に、酒を酌み交わしていた。
微かな火光も洩らすまいと、船窓にも入口にも帳を垂れているが、時折どうと船体をうつ波音に灯も揺れ、杯の酒も揺れる。
「まるでこれは、覆面の船ですな、二十余艘すべて、藁と布で、くまなく船体を覆いかくしたところは」
「覆面の船。なるほど、覆面の船とは、おもしろい仰せではある」
「どうお用いになる気ですか、一体、これを」