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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

二

曹操は、胆を冷やして、横ざまに林の中へ駈けこんだ。

ところが、そこにも、一手の兵馬が潜んでいたので、彼は、しまったと叫びながら、あわてて馬をかえそうとすると、

「丞相丞相。もう恐れ給うことはありません。ご麾下の徐晃です。徐晃これにお待ちしていました」と、さけぶ。

「おうっ、徐晃か」

曹操は、大息をついて、ほっとした顔をしたが、

「張遼が苦戦であろう。扶けて来い」と、いった。

徐晃は、一隊をひいて、駈け戻って行ったが、間もなく、敵の呂蒙、凌統の兵を蹴ちらして、重囲の中から張遼を助け出して帰ってきた。

二

そこで曹操主従はまた一団になって、東北へ東北へとさして落ちのびた。

すると、一彪の軍馬が、山に拠って控えていた。

「敵か」と、徐晃、張遼などが、ふたたび苦戦を覚悟して物見させると、それはもと、袁紹の部下で、後、曹操に降り、久しく北国の一地方に屈踞していた馬延と張のふたりだった。

ふたりは、早速、曹操に会いにきた。そしていうには、

「実は、われわれ両名にて、北国の兵千余を集め、烏林のご陣へお手伝いに参らんものと、これまで来たところ、昨夜来の猛風と満天の火光に、行軍を止め、これに差し控えて万一に備えていたわけです」