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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

進軍

一

「そうか。では偶然、三人の考えが、一致したわけだ。よし、そうなれば大いに張合いもある。張兄、抜かるな」

「万事は胸にある。もし、この儀について、劉璋から君たちに召出しがあったら、君らこそ抜からずに頼むぞ」

「よいとも」

三人は、血盟して別れた。

次の日張松は、成都に入り、劉璋に謁して、使いの結果をつぶさに復命した。

もちろん、曹操のことは、極力悪ざまにいった。彼には早くから蜀を奪う下心があったので、こちらの交渉など耳にもかけないばかりか、かえって張魯の先を越して、蜀へ攻め入ってくるような気配すら見えたと告げた。

進軍

一

劉璋は面に狼狽のいろを隠せなかった。

「曹操にそんな野心があってはどうもならん。張魯も蜀を狙う狼。曹操も蜀をうかがう虎。いったいどうしたらいいのじゃ」

気が弱い、策がない。劉璋はただ不安に駆られるばかりな眼をして云った。

「お案じには及びませぬ」

張松は語を強めた。そしていうには、

「この上は、荊州の玄徳をおたのみなさい。ご当家とは漢朝の同流同族。のみならず、こんどの旅行中、諸州のうわさを聞いても、彼は仁慈、寛厚、まれに見る長者であると、一世の人望を得ています」