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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

五

五

周瑜の侍医や近侍たちは、こもごもになだめて、安臥をすすめた。

「怒気をお抱き遊ばすほど、破傷のご苦痛は増すばかりです。なにとぞお心をしずめて、静かに、しばしご養生を」

大軍を率いて遠く溯江し、上陸第一日にこの凶事だったから、諸人の気落ちと狼狽は無理もなかった。

ところへ、呉侯孫権の弟孫瑜が援軍を引いて到着したと報じて来た。周瑜が、

「会いたい」

というので、早速、馬をとばして迎えにやると、孫瑜はすぐ駈けつけて、こう慰めた。

「都督、余りじりじりせぬがよい。予がこれへ来たからには、万事、呉侯に代って指揮いたすゆえ、御身はしばらく船中へ退いて、何よりも身の養生に努めるがいい」

しかし、周瑜はなお、身の苦痛など口にも出さない。火の如き憤念を吐いて、

「誓って、荊州を取り、玄徳、孔明の首を見なければ、なんの顔をもって呉侯にまみえよう」

血涙をたたえて云った。

孫瑜は、その激越を気づかってわざと相手にならない。そして直ちに病輿を命じて彼を乗せ、ひとまず夏口の船場まで退くことにした。

その途中である。巴丘という所まで来ると、彼方に荊州の一軍が江頭の道を切りふさいだという。