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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

三

それを一本一本あらためて、鏃の鈍角となったのは除き、矢柄の折れたのも取捨て、すぐ使用できる物ばかりを、一把一把に束ねて、十万の矢は、きれいに山となって積みあげられた。

三

魯粛の語る始終を周瑜はさっきから頭を垂れて黙然と聞いていたが、やがて面をあげて、

「ああ……」

と、長大息すると、ありありと慚愧の色をあらわして、慨然とこういった。

「誤てり、誤てり。ふと小我にとらわれて、ひたすら孔明の智を憎み、孔明を害さんとばかり考えていたが、彼の神機明察、とうていわれらの及ぶところではない」

さすがに周瑜も一方の人傑である。省みて深く自分を羞じ、魯粛を走らせて、すぐ孔明を迎えにやった。

やがて、孔明が見えたと聞くと彼は自ら歩を運んで、轅門の傍らに出迎え、慇懃、師の礼をとって上座へ請じたので、孔明はあやしんで、

「都督、今日の過分は何がゆえのご優遇ですか」と、問うた。

周瑜は偽らず、

「正直にいう。それがしは遂にあなたの前にを脱ぎました。どうか今日までの非礼はおゆるしください。また、魯粛から承れば、敵地に入って敵の矢をあつめ、その十万本を見事、運んでこられた由。天来の妙計、ただただ驚嘆のほかはありません」