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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

四

四

重大時期だ。国土の興亡のわかれめだ。孫権は、努めて思い直した。

「魯粛。もう一度、孔明にその大策を質してみよう」

「ああ、さすがは。――よくぞご堪忍がつきました」

「どこにおる」

「賓殿にあのままでいます」

「誰も来るな」

随員をみな払って、孫権はふたたび孔明の前へ出た。

「先生、ゆるし給え。弱冠の無礼を」

「いや自分こそ、国主の威厳を犯し、多罪、死に値します」

「ふかく思うに、曹操が積年の敵と見ているものは、わが東呉の国と、劉予州であった」

「お気づきになりましたか」

「しかし、わが東呉十余万の兵は、久しく平和に馴れて、曹操の強馬精兵には当り難い。もし敢然、彼に当るものありとすれば、劉予州しかない」

「安んじたまえ。劉予州の君、ひとたび当陽に敗れたりとはいえ、後、徳を慕うて、離散の兵はことごとくかえっております。関羽がひき連れてきた兵も一万に近く、また劉君が江夏の勢も一万を下りません。ただし、閣下のご決意はどうなったのですか。乾坤一擲のこの分れ目は、区々たる兵数の問題でなく、敗れを取るも勝利をつかむも、一にあなたのお胸にあります」

「予の心はすでに決まった。われも東呉の孫権である。