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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

三

で、城中では、その夜、

「まず、合戦の幸先はいいぞ」

と、大いに勝ち戦を賀して、杯をあげていたが、それに反して、序戦に敗れた呉軍の営内では、

「敵に数倍する勢を擁しながら、しかも城中から出てきた兵に不意を衝かれるとは何たる醜態だ」

と、蒋欽、徐盛のともがらは、都督周瑜の面前で、その責めを問われ、さんざん痛罵されていた。

三

「この上は、自身、南郡の城を一もみに踏みつぶしてみせる」

周瑜は、怒った後で、こう豪語した。

ここ連戦連勝の勢いに誇っていたところなので、蒋欽の些細な一敗も、彼にはひどくケチがついたような気がしたものとみえる。

「ご自身、軽々しい戦いはまずなさらぬほうがよいでしょう」

諫めたのは、甘寧である。

甘寧は、説いた。

「南郡と掎角の形勢を作って、一方、夷陵の城も戦備をかためています。そしてそこには、曹仁と呼応して、曹洪がたて籠っていますから、うかつに南郡だけを目がけていると、いつ如何なる変を起して、側面を衝いてくるかもしれません」

「――では、どうしたがいいか」

「それがしが三千騎を拝借して、夷陵の城を攻め破りましょう」

「よし。そのまに、南郡の城は、わが手に片づける」