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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

二

と、先なるひとりの大将がいう。張松が、然り、と答えると、その武将はひらりと馬を降りて、礼をほどこし、

「それがしは、荊州の臣、趙雲子龍。主人玄徳の命をうけ、これまでお出迎えに参りました。遠路、難所を越えられ、さだめしお疲れでしょう。いざあれにてご休息を」

導いた一亭には、酒を整え、茶を煮、洗浴の設けまでしてあった。

二

魏に使いして、使いを果たさず、失意と辱を抱いて落ちてきた客が、かくばかり鄭重な出迎えをうけようとは、張松も、意外であったらしい。

「どうして、劉皇叔には、このように張松を篤くお迎え下さるのか」

訊くと、趙雲は、

「いや、ご辺のみに、こうなされるのではありません。総じて、わが主君は客を愛すお方ですから」と、答えた。

そこからは趙雲の案内で、途中の不自由も不安もなく進んだ。

日をかさねて、荊州の境に入る。そして黄昏れごろ、駅館へ着いた。

すると、門外に、百余人の兵が、二行にわかれて整列していた。

張松のすがたを見ると、一斉に鼓を打ち鉦を鳴らして歓迎したので、張松が、びっくりして立ち止まると、たちまち、長髯長躯の大将が、彼の馬前に来て、

「賓客、ようこそご無事で」