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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

三

と、孔明は、壇に起って、まず趙雲を呼び、

「御身は、手勢二千をひきつれ、江を渡って、烏林の小路に深くかくれ、こよい四更の頃、曹操が逃げ走ってきたなら、前駆の人数はやりすごし、その半ばを中断して、存分に討ち取れ。――さは云え、残らず討ちとめんとしてはならん。また、逃げるは追うな。頃あいを計って、火を放ち、あくまで敵の中核に粉砕を下せ」

と、命じた。

趙雲は、畏まって、退がりかけたが、また踵をかえして、こう質問した。

「烏林には、二すじの道があります。一条は南郡に通じ、一条は荊州へ岐れている。曹操は、そのいずれへ走るでしょうか」

「かならず、荊州へ向い、転じて許都へ帰ろうとするだろう。そのつもりでおれば間違いはない」

孔明はまるで掌の上をさすように云った。そして、次には張飛を呼んだ。

三

張飛に向っては、

「ご辺は、三千騎をひきつれ、江を渡って、夷陵の道を切りふさがれよ」と、孔明は命じた。

そして、なお、

「そこの葫蘆谷に、兵を伏せて相待たば、曹操はかならず南夷陵の道を避けて、北夷陵をさして逃げくるであろう。明日、雨晴れて後、曹操の敗軍、この辺りにて、腰兵糧を炊ぎ用いん。