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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
二
彼以外に、この使いの適任者はありません」
「なるほど、それも一理だな」
彼はすぐ幕下の群将のうちから、徐庶を呼びだして、おごそかに、軍の大命をさずけた。
二
徐庶は、命を奉じて、やがて樊城へ使いした。
「なに、曹操の使いとして、徐庶が見えたと」
玄徳は、旧情を呼び起した。孔明と共に、堂へ迎え、
「かかる日に、ご辺と再会しようとは」と嘆じた。
語りあえば、久濶の情は尽きない。けれど今は敵味方である。徐庶はあらためていった。
「今日、それがしを向けて、あなたに和睦を乞わしめようとする曹操の本志は、和議にあらず、ただ民心の怨嗟を転嫁せんための奸計です。これに乗って、一時の安全をはかろうとすれば、おそらく悔いを百世に残しましょう。不幸、自分はあなたの敵たる陣営に飼われる身となり、今は老母も死してこの世にはありませんが、もしこの使いから帰らなければ、世人はそれがしの節操を疑い、かつ嘲り笑うでしょう。――ぜひもない宿命、ただ今の一言を、呈したのみで立ち帰りまする」
と、すぐ暇を告げ、なお帰りがけにもくり返していった。
「逆境また逆境、さだめし今のお立場はご不安でしょう。