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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

三

「乞う、善策を示したまえ」

「明日から、かかりましょう」

孔明はかねてから新野の戸籍簿を作って、百姓の壮丁を徴募しておいた。城兵数千のほかに、農兵隊の組織を計画していたのである。

次の日から、彼はみずから教官となって、三千余人の農民兵を調練しはじめた。歩走、飛伏、一進一退、陣法の節を教え、克己の精神をたたき込み、刺撃、用剣の術まで、習わせた。

ふた月も経つと、三千の農兵は、よく節を守り、孔明の手足のごとく動くようになった。

かかる折に、果たして、夏侯惇を大将とする十万の兵が、新野討滅を名として、南下してくるとの沙汰が聞えてきたのである。

「十万の大兵とある。如何にして防ぐがよいか」

玄徳は恐怖して、関羽、張飛のふたりへもらした。すると張飛は、

「たいへんな野火ですな。水を向けて消したらいいでしょう」

と、こんな時とばかり、苦々しげに面当てをいった。

三

些末な感情などにとらわれている場合ではない。玄徳は二人へいった。

「智は孔明をたのみ、勇は二人の力にたのむぞ。よいか。くれぐれも」

張飛と関羽が退がって行くと、玄徳はまた孔明を呼んで、同じように、この急場に処する対策を依嘱した。