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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
三国志
降参船
一
降参船
一
「この大機会を逸してどうしましょうぞ」
という魯粛の諫めに励まされて、周瑜もにわかにふるい起ち、
「まず、甘寧を呼べ」と令し、営中の参謀部は、俄然、活気を呈した。
「甘寧にござりますが」
「おお、来たか」
「いよいよ敵へお蒐りになりますか」
「然り。――汝に命ずる」
周瑜は厳かに、軍令をさずけた。
「かねての計画に従って、まず、味方の内へまぎれこんでいる蔡仲、蔡和のふたりを囮とし、これを逆用して、敵の大勢をくつがえすこと。……その辺はぬかりなく心得ておろうな」
「心得ておりまする」
「汝はまず、その一名の蔡仲を案内者として、曹操に降参すと称え、船を敵の北岸へ寄せて、烏林へ上陸れ。そして蔡仲の旗をかざし、曹操が兵糧を貯えおく粮倉へ迫って、縦横無尽に火をつけろ。火の手の旺なるを見たら、同時に敵営へ迫って、側面から彼の陣地を攪乱せよ」
「承知しました。して残る一名の蔡和はいかがいたしますか」
「蔡和は、べつに使いみちがあるから残して行くがよい」
甘寧が退がって行くと、周瑜はつづいて、太史慈を呼び、
「貴下は、三千余騎をひっさげて、黄州の堺に進出し、合にある曹軍の勢に一撃を加え、まっしぐらに敵の本陣へかかり、火を放って焼き討ちせよ。