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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

陣中戯言なし

一

理由を仰せ聞かせ下さい」

と、蒼白になっていった。

曹操は耳をかさず、

「ふてぶてしい下司ども、これを見ろ。これは誰の書簡だ」

と、例の一通を、二人の眼の前に投げつけた。張允は見るやいなや、

「あっ、偽書だ。こんな、敵の謀略にのって」

と、跳び上がったが、その叫びも終らないうちに、後ろにまわっていた武士の手から、戛然、大剣は鳴って、その首すじへ振り落された。つづいて、逃げようとした蔡瑁の首も、一刀両断のもとに転がっていた。

陣中戯言なし

一

その後すぐ呉の諜報機関は、蔡瑁、張允の二将が曹操に殺されて、敵の水軍司令部は、すっかり首脳部を入れ替えたという事実を知った。

周瑜は、それを聞いて、

「どうだ、おれの計略は、名人が弓を引いて、翊ける鳥を射的てたようにあたったろうが」

と、魯粛へ誇った。

よほど得意だったとみえて、なお問わず語りに、

「あの蔡瑁、張允のふたりが、水軍を統率している間は油断がならぬと、先夜のこと以来、憂えていたが、これでもう魏の船手も怖るるに足らん。早晩、曹操の運命は、この掌のうちにあろう」

と、いって、またふと、

「――だが、この深謀を、わが計と知るものは、今のところ、味方にもないが、或いは孔明だけはどう考えているかわからん。