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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
「やあ。敵方の戦将。ねがわくば、尊名を聞かせ給え」と、呼ばわった。
声に応じて、
「それがしは、常山の趙子龍。――見事、わが行く道を、立ちふさがんとせられるか」
と、青の剣を持ち直しながら趙雲は答えた。
曹洪は、急いで後へ引っ返した。そして曹操へその由を復命すると、曹操は膝を打って、
「さては、かねて聞く趙子龍であったか。敵ながら目ざましい者だ。まさに一世の虎将といえる。もし彼を獲て予の陣に置くことができたら、たとえ天下を掌に握らないでも、愁いとするには足らん。――早々、馬をとばして、陣々に触れ、趙雲が通るとも、矢を放つな、石弩を射るな、ただ一騎の敵、狩猟するように追い包み、生け擒ってこれへ連れてこいと伝えろ!」
鶴の一声である。諸大将は、はっと答えて、部下を呼び立てた。――たちまち見る、十数騎の伝令は、山の中腹から逆落しに駆けくだると、すぐ八方の野へ散って馬けむりをあげて行く。
真の勇士、真の良将を見れば、敵たることも忘れて、それを幕下に加えようとするのは、由来、曹操の病といっていいほどな持ち前である。
彼の場合は、士を愛するというよりも、士に恋するのであった。