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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

「……然り矣」

「そうだ。その時だ」

述べおわって、周瑜が、席へついても、しばらくは皆、感じ合ったまま、粛としていた。

意見は、完全に、一致を見た。無言のうちに、ひとつになっていた。

この日、簾中に、会議のもようを聴いていた呉夫人も、甥の周瑜の器量をたのもしく思って、後に、近く彼を招き、

「おまえは、孫策と同年で、一月おそく生れたばかりだから、わが子のように思われる。これからも、よく孫権を扶けて賜も」と、ねんごろなことばであった。

かくて、この問題は、呉の黙殺により、そのままになってしまった。が中央の威権は、いたく傷つけられたわけである。

曹操も、以来、使いを下してこなかった。――或る重大決意を、呉に対して抱いたであろうことは想像に難くない。

宣戦せざる宣戦――無言の国交断絶状態にはいった。

が、長江の水だけは、千里を通じている。

そのうちに。

建安八年の十一月ごろ。

孫権は、出征の要に迫られた。荊州の配下、江夏(湖北省・武昌)の城にある黄祖を攻めるためだった。

兵船をそろえ、兵を満載して、呉軍は長江をさかのぼってゆく。

その軍容はまさに、呉にのみ見られる壮観であった。