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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
魯粛はむしろ呉のために、彼の計画の失敗したことを歓んでいた。
この事あってからまだ幾日も経たないうちのことである。
「魏の曹操から書簡をたずさえて、江岸まで使者の船が来ましたが?」とのしらせに、
「通せ。――しかし曹操の直書か否か、その書簡から先に示せといえ」
と、周瑜は、帷幕にあって、それを待っていた。
やがて、取次ぎの大将の手から、うやうやしく彼の前へ一書が捧げられた。書簡は皮革をもって封じられ、まぎれもない曹操の親書ではあった。
――けれど周瑜は、一読するや否、面に激色をあらわして、
「使者を逃がすな」と、まず武士に云いつけ、書簡を引き裂いて、立ち上がった。
魯粛が、驚いて、
「都督、なんとされたのです」
と、訊くと、周瑜は、足もとへ破り捨てた書簡の断片を、足でさしながら罵った。
「それを見るがいい。曹賊め、自分のことを、漢大丞相と署名し、周都督に付するなどと、まるで此方を臣下あつかいに認めておる」
「すでに充分、敵性を明らかにしている曹操が、どう無礼をなそうと、怒るには足らないでしょう」
「だから此方も、使者の首を刎ねて、それに答えてやろうというのだ」