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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
「無駄だ。巧言を止めろ。われも幼少から兵書を読み、孫子呉子の神髄を書に捜っている。別人ならば知らぬこと、この曹操がいかで汝や黄蓋ごとき者の企てに乗ろうぞ」
「いよいよおかしい。いや笑止千万だ。それほど、蛍雪の苦を学びの窓に積み、弱冠より兵書に親しんできたという者が、何故、この※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢のたずさえて来た書簡に対し、一見、真か嘘か、その実相すらつかみ得ないのか。世の中にこれほどばかばかしい自慢はあるまい」
「では、冥途のみやげに、黄蓋の書簡をもって、予が詐術なりと観破した理由をいって聞かせてやろう。しかと耳の垢を払って聞くがいい――書中、黄蓋がいっているように、我への降参が、本心からのものならば、かならず味方に来る時の日限を明約していなければならん。然るに書中にはその日時には何も触れておらぬ。これ、本心にない虚構の言たる証拠であろう」
「これは、異な説を聞くものだ。みだりに兵書を読めばとて、書に読まれて、書の活用を知らぬものは、むしろ無学より始末がわるい。そんな凡眼で、この大軍をうごかし、呉の周瑜に当るときは、たちまち、敵の好餌――撃砕されるにきまっている」