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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

「どうして」

「かくいう蒋幹が、ご案内申してゆけば」

「何。貴公が」

「されば、私は、曹操の命をうけて、周瑜に降伏をすすめに来たものです」

「ではやはり魏の廻し者か」

「廻し者ではありません。説客として参ったものです」

「同じことだ。……が偶然、わしが先にいった冗談はあたっていたな」

「ですから、ぎょっとしました」

「いや、それがしは何も、呉から禄も恩爵もうけている者ではない。安心なさるがいい」

「どうですか、ここを去って、魏へ奔りませんか」

「勃々と、志は燃えるが」

「曹丞相へのおとりなしは、かならず蒋幹が保証します。曹操にも活眼ありです、何で先生を疑いましょう」

「では、行くか」

「ご決意がつけば、こよいにも」

「もとより早いがいい」

二人は、完全に、一致した。その夜のうち、庵を捨て、統は彼と共に、呉を脱した。

道は、蒋幹よりも、ここに住んでいる※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統のほうが詳しい。谷間づたいに、樵夫道をさがして、やがて大江の岸辺へ出た。

四

舟を拾って、二人は江北へ急いだ。やがて魏軍の要塞に着いてからは、一切、蒋幹の斡旋に依った。

有名なる襄陽の鳳雛――統来れり、と聞いて、曹操のよろこび方は一通りではなかった。