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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

と、剣をふるって、防ぎながら、

「気をつけろ。もう敵は上陸っているぞ」

と、部下へ注意しながら逃げ惑った。

こうまで早く、敵が陸地に迫っていようとは思っていなかったらしい。呂蒙は、

「おのれ、名を惜しまぬか」と、陳就を追って、うしろから一槍を見舞い、その仆れたのを見ると、大剣を抜いて、首をあげた。

舟手の崩滅を救わんものと、大将の蘇飛は、江岸まで馬をすすめてきた。――それと見た呉軍の将士は、

「われこそ」と、功にはやって、蘇飛のまわりへむらがり寄ったが、燈にとびつく夏の虫のように、彼のまわりに、死屍を積みかさねるばかりだった。

すると、呉の一将に、潘璋という剛の者があった。立ち騒ぐ敵味方のあいだを駆けぬけ、真っ直ぐに、蘇飛のそばへ近づいて行ったかと思うと、馬上のまま引っ組んで、さすがの蘇飛をも自由に働かせず、鞍脇にかかえて、たちまち、味方の船まで帰ってきた。

そして、孫権に献じると、孫権は眼をいからして、蘇飛を睨みつけ、

「以前、わが父孫堅を殺した敵将はこいつだ。すぐ斬るのは惜しい。黄祖の首と二つ並べて、凱旋ののち父の墓を祭ろう。檻車へほうりこんで本国へさし立てろ」