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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
曹操は大いに力を得て、馬延、張※(「凱のへん+頁」、第3水準1-94-1)に道を開かせ、そのうち五百騎を後陣として、ここからは少し安らかな思いで逃げ落ちた。
そして十里ほど行くと、味方の倍もある一軍が、真っ黒に立ちふさがり、ひとりの大将が、駒を乗り出して何かいっている。――馬延は、自分に較べて、それも多分味方ではないかと思い、
「何者か」と、先へ近づいて訊いた。
すると、彼方の者は、大音をあげて、
「われこそは呉に彼ありともいわれた甘寧である。こころよく我が刃をうけよ」
云いも終らぬうち、馬躍らせて近寄りざま、馬延を一刀のもとに斬り落した。
後ろにいた張※(「凱のへん+頁」、第3水準1-94-1)は、驚いて、
「さては呉の大将か」と、槍をひねって、突きかかったが、それも甘寧の敵ではなかった。
眼の前で、張※(「凱のへん+頁」、第3水準1-94-1)、馬延の討死を見た曹操は、甘寧の勇にふるえあがって、さしかかって来た南夷陵の道を避け、急に、西へ曲がって逃げ走った。
幸いに、彼を探している残軍に出会ったので、
「あとから来る敵を防げ」と、馬も止めずに命じながら、鞭も折れよと、駈けつづけた。