輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
曹操は、はっと我にかえって、
「さては、この間に逃げよとのことか」
と、士卒と共に、あわただしくここの峠から駈け降って行った。
すでに曹操らの主従が、麓のほうへ逃げ去った頃になって関羽は、
「それ、道を塞ぎ取れ」と、ことさら遠い谷間から廻り道して追って行った。
すると、途中、一軍のみじめなる軍隊に行き会った。
見れば、曹操のあとを慕って行く張遼の一隊である。武器も持たず馬も少なく、負傷していない兵はまれだった。
「ああ惨たるかな」と、関羽は、敵のために涙を催し、長嘆一声、すべてを見遁して通した。
張遼と関羽とは、旧くからの朋友である。実に、情の人関羽は、この悲境の友人を、捕捉して殺すには忍びなかったのである。――おそらく張遼もそれを知って、心のなかで関羽を伏し拝みながらこの死線を駈け抜けて行ったろうと思われる。
こうして虎口の難をのがれた張遼は、やがて曹操に追いついて合体したが、両軍合わせても五百に足らず、しかも一条の軍旗すら持たなかったので、
「ああ。かくも、悲惨な敗北を見ようとは……」と、相顧みて、しばし凋然としてしまった。
この日、夕暮に至って、また行く手の方に、猛気旺な一軍の来るのとぶつかったが、これは死地を設けていた伏勢ではなく、南郡(湖北省・江陵)の城に留守していた曹一族の曹仁が、迎えに来たもので