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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
その頃――
夏口城の城楼には、戦捷の凱歌が沸いていた。
張飛、趙雲、そのほかの士卒は、みな戦場から立帰って、敵の首級や鹵獲品を展じて、軍功帳に登録され、その勲功を競っていた。
閣の庁上では、玄徳を中心に、孔明も立って、戦勝の賀をうけていたが、折ふしここへ、関羽もその手勢と共に戻って来て、悄然と拝礼した。
「おお、羽将軍か。君にも待ちかねておわしたぞ。曹操の首を引っさげて来たものはおそらくあなたであろう」
「…………」
「将軍。どうして、そのように不興気な顔をしてうつ向いておらるるか。いざ、功を述べて、勲功帳に記録を仰ぎたまえ」
「いや、……べつに何も……」
関羽は益※(二の字点、1-2-22)、うな垂れているのみで、そのことばさえ、女のように低かった。
孔明は、眉をひそめながら、
「どうなされたのか。べつに何も……とは?」
「実は。……それがしのこれに来たのは、功を述べるためではなく、罪を請うためでござる。よろしく軍法に照らして罰せられたい」
「はて。……では、曹操はついに華容の道へは逃げ落ちて来なかったといわるるか」
「軍師のご先見にたがわず、華容道へかかっては来ましたが、それがしの無能なるため、討ち洩らしてござる」