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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

先手五千の兵には、蒋欽が大将として進み、副将丁奉、徐盛それにつづき、周瑜の中軍も前進して、堂々城へ迫った。

このときまで、城中の曹仁は、曹操の残して行った誡めを鉄則として、

「出るな。守れ」

の一方でただ要害をきびしくするに汲々としていたが、部下の牛金はしきりに勧めた。

「要害の守りというものは或る期間だけのものです。古来、陥ちない城というものはない。いますでに呉軍が城下に迫っているのに、城を出てこれを撃つという変もなければ、城中の士気は、消極的になるばかりで、所詮、長く持てるものではありません」

「それも一理ある」

曹仁は、牛金の乞いを容れて、兵五百をさずけ、機を計って奇襲を命じた。

牛金は、城門から突出して、敵の先鋒、丁奉の軍を蹴散らした。丁奉は、牛金を目がけて、一騎打ちを挑んだが、たちまち後ろを見せて逃げ出した。

牛金の五百騎は、逃げる丁奉を追いまくって、つい深入りした。にわかに、さっとかえした丁奉軍は、鼓を鳴らして、味方を糾合し、追い疲れた牛金軍五百を袋の中の鼠としてしまった。

「戦況いかに?」と、城中の櫓から眺めていた曹仁は、牛金の危急を見て、自身手勢を率いて、救いに出ようとした。