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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
「ご心配は無用です」
孔明はまずそういってから、
「――ただ、この際の憂いは、外よりも内にあります。おそらくは関羽、張飛のふたりが私の命に伏しますまい。軍令が行われなければ、敗れることは必然でしょう」
「実に困ったものだ。それにはどうしたらいいだろう」
「おそれながら、わが君の剣と印とを孔明にお貸しください」
「易いこと、それでよいか」
「諸将をお召しください」
孔明の手に、剣と印を授けて、玄徳は諸将を呼んだ。
孔明は、軍師座に腰をすえ、玄徳は中央の床几に倚っていた。孔明は、厳然立ちあがって、味方の配陣を命じた。
「ここ新野を去る九十里外に、博望坡の嶮がある。左に山あり、予山という。右に林あり、安林という。――各※(二の字点、1-2-22)ここを戦場と心得られよ」と、まず地の理を指摘して、「――関羽は千五百をひきいて予山にひそみ、敵軍の通過、半ばなるとき、後陣を討って、敵の輜重を襲い、火をかけて焚殺せられよ。張飛は、同じく千五百の兵を、安林に入れて、後ろの谷間へかくれ、南にあたって、火のあがるを見るや、無二、無三、敵の中軍先鋒へ当ってそれを粉砕し給え。――また、関平と劉封とは各五百人を率して、硫黄焔硝をたずさえ、博望坡の両面より、火を放って敵を火中につつめ」