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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
「みだりに行動する者は斬る」と、軍令した。
建安の秋十六年、その八月も暮れかけていたが、曹軍は、秋風の下に寂と陣して固く守ったまま、一戦も交えなかった。
「胡夷の兵め。また対岸で悪口を放っているな。いまいましい奴らだ」
業を煮やした曹軍の諸将が、ある時、曹操をかこんで、
「いったい北夷の兵は、長槍の術に長け、また馬の良いのを持っているので、接戦となると、剽悍無比ですが、弓、石火箭などの技術は、彼らのよくするところでありません。ひとつ、もっぱら弩をもって一戦仕掛けては如何でしょう」と、進言した。
すると、曹操は苦りきって、
「戦うも、戦わぬも、みなその腹一つにあることで、何も敵の心にあるわけじゃない」と、云い、そしてまた、
「下知に反くものは、軍罰に処すぞ。ただ部署について、守りを固うし、一歩も陣外へ出てはならん」と、再度の布令を出した。
曹操の肚をふかく察しない部将たちは、ささやき合って、首を傾げた。
「どうしたんだろう。いくら馬超に追いまくられて、お懲りになったからといえ、今度に限って、ひどく消極戦法の一点張りじゃないか」
「そろそろ、お年齢のせいかも知れんよ、銅雀の大宴を境として、お髪にもすこし白いものが見えてきたしな。