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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

兵法にいう。――兵半バヲ渉ラバ撃ツベシ――と」

「ぬかるな、諸将」

八方に間者を放って、曹軍が河を渡る地点を監視していた。

とも知らず、曹操は、大軍を三分して、渭水のながれに添い、まず一手を上流の北から渡して、その成功を見とどけ、

「まず、首尾はよさそうだ」

と、水ぎわに床几をすえながら、刻々と報らせて来る戦況を聞いていた。

「上陸したお味方は、すでに対岸の要所要所、陣屋を組み、土塁を構築しにかかっています」

すると、第二第三とつづいてくる伝令が云った。

「今、南の方から、敵ともお味方とも分らぬ一隊が、馬煙をあげて、これへ来ます」

第五番目の伝令は、

「ご油断はなりません。ご用意あれっ」と呶鳴って、

「白銀の甲、白の戦袍を着た大将を先頭にし、約二千ばかりの敵が、どこを渡ってきたか、逆襲してきます。――いや、うしろのほうからです」と狼狽していう。

その時、大軍は河を渡りつくして、曹操のまわりには、たった百余人しかいなかった。

「馬超ではないか」

愕然と、人々は騒ぎ立ったが、剛復な曹操は、

「騒ぐな」と、のみで床几から起とうともしない。

ところへ、許が船を引返してきて、その態を見るやいな、