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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
「お忘れではあるまい。あなたの厳父とは、共に孝廉に挙げられ、少壮の頃には、いろいろお世話になったものだ。後あなたも都の大学を出、共に官途へ進んでからは、いつともなく疎遠に過ぎたが、今は、お幾歳になられるか」
「それがしも、すでに四十です」
「むかし、都にあって、共に、青春の少年であった時代は、よく書を論じ、家を出ては、白馬金鞍、花を尋ねて遊んだこともあったが、そのあなたも、はや、中老になられたか」
「丞相も、変りましたな。少し鬢にお白いものが見える」
「ははは。いつか、ふたたび太平の時を得て、むかしの童心に返ろうではないか。――おう今日は、折角、此方から書面しながら失礼ですが、幕中、折わるく諸将を会して要談中なので」
「いや、また会いましょう」
韓遂は、気軽に戻った。
この態を、見ていたものが、すぐ馬超へ、ありのままを話した。
安からぬ顔色をしていたが、翌る日、馬超はほかの用事にことよせて、韓遂を呼び、
「時に、貴公は昨日、渭水のほとりで、曹操と、何か親しげに、密談をしておられた由だが……」
「密談を」――韓遂は、眼をまろくしながら、顔の前で手を振った。
「青空の下の立ち話。