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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

「青山老イズ緑水長ク存ス。いつか先生の芳志に報うことができるかも知れない」

「この西蜀四十一州図の一巻は、他日、入蜀の道しるべ。また、今日のお礼として、お手許に献上します。どうかお納めおき下さるように――」

かくて、彼は、先へ立った。

玄徳は十里亭から戻ったが、関羽、趙雲などは、なお数十里先まで張松を送って行った。

×     ×     ×

益州。それは巴蜀地方の総称である。漢代から蜀は益州、或いは巴蜀とひろく呼ばれていた。

実に遠い旅行だった。張松は日を経て、ようやく故国益州へ帰ってきた。

すでに首都の成都(四川省・成都)へ近づいてきた頃、道のかたわらから、

「やあ、ようこそ」

「ご無事で何よりだった」

と、二人の友が早くも迎えに出ていて、その姿を見るなり近づいてきた。

「おお、孟達か。法正も来てくれたのか」

張松は馬を降りて、こもごも、手を握り合った。

「久しく、蜀の茶の味に渇いていたろう。そう思って、彼方の松下に、小さい炉をおいて、二人で茶を煮て待っていた。すこし休息して行き給え」

友は彼をさそって、松の下へ来た。茶を喫し、道中の話などにふけったが、そのうちに、張松は、