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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
蔡夫人は、劉※(「王+宗」、第3水準1-88-11)を守護して、軍政の大本営を襄陽城に移した。
時すでに、曹操の大軍は刻々南下して、
「はや宛城に近し!」
とさえ聞えてきたのである。
幼主と蔡夫人を主座に仰ぎ、蔡瑁、越以下、宿将群臣たちは日々評議に余念なかった。
「一戦いなみ難し」とする軍の主戦論は、濃厚であったが、文官側になお異論が多い。
就中、東曹の掾公悌は、
「三つの弱点がある」と、国内の不備をかぞえて、非戦論を主張した。
その一は、江夏の劉※(「王+奇」、第3水準1-88-6)が、国主の兄でありながら、まったく排け者にされている不満から、いつ荊州の背後を突くか知れないという不安。
二には、玄徳の存在である。しかも玄徳のいる新野は、この襄陽と江水ひとつをへだてた近距離にある。おそらく玄徳の向背はこの際、はかり知れないものがあろうという点。
三つには、故太守の歿後、まだ日も経っていないので、諸臣の不一致、内政の改革、あらゆる備えが、まだ完き臨戦態勢に至っていない――というのであった。
「その説に自分も同感である。自分をもっていわせれば、さらに三つの不利がある」