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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

「しかし、国と国とが争っても、相互の使いは斬らないというのが、古来の法ではありませんか」

「なんの、戦争に入るに、法があろうか。敵使の首を刎ねて、味方の士気をふるい、敵に威を示すは、むしろ戦陣の慣いだ」

云いすてて帳外へ濶歩して行った。周瑜は、そこへ使者を引き出させて、何か大声で罵っていたが、たちまち剣鳴一戛、首を打ち落して、

「従者。使いの従者。この首はくれてやるから、立ち帰って、曹操に見せろ」と、供の者を追い返した。

そして、直ちに、

「戦備にかかれ」と、水、陸軍へわたって号令した。

甘寧を先手に、蒋欽、韓当を左右の両翼に、夜の四更に兵糧をつかい、五更に船陣を押しすすめ、弩弓、石砲を懸連ねて、「いざ、来れ」と、待ちかまえていた。

果たせるかな曹操は、使者の首を持って逃げ帰ってきた随員の口々から、云々と周瑜の態度を聞きとって、「今は」と、最後の臍をかため、水軍大都督の蔡瑁、張允を召し出して、

「まず、周瑜の陣を破れ、しかる後に、呉の全土を席巻せん」と、いいつけた。

江上は風もなく、四更の波も静かだった。時、建安十三年十一月。荊州降参の大将を船手の先鋒として、魏の大船団は、三江をさして、徐々南下を開始していた。