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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
と、いってみた。
すると、周瑜がすぐ返事を奪って、
「それは造作もないことだが、どうせ一戦は目前に迫っておること。曹操を破って後、めでたく祝賀の一会という時に、お会いになったらいいではないか」
と、すぐ話をわきへそらし、ふたたび、曹軍を討つ軍略や手配などを、しきりに重ねて云い出した。
関羽は、主君の袂をひいて、うしろからそっと眼くばせした。――そのことに触れないほうがご賢明ですよ、と注意するのであった。玄徳もすぐさとって、
「そうですな。では今日の御杯も、これくらいでお預けしておきましょう。いずれ、曹操を討ち破った上、あらためて祝賀のお慶びに出直すとして――」
と、うまく席を立つ機をつかんで別れた。
余りにあざやかに立たれてしまったので、周瑜もいささかまごついた形だった。実は、玄徳を酔わせ、関羽にも追々酒をすすめて、この堂中を出ぬまに、刺殺してしまおうと、四方に数十人の剣士力者を忍ばせておいたのであった。
それを、つい、うまく座をはずされてしまったので、合図するいとますらなく、周瑜も倉皇と、轅門の外まで見送りに出て、空しく客礼ばかりほどこしてしまった。