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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

城下の町角から「令」の一字を書いた旗を背にした一騎が近寄って来て、

「いよいよ、怪しいことばかりです。いま諸方の巡警からしらせて来たところによると、関羽は江陵より攻め来り、張飛は帰より攻め来り、また、黄忠は公安の山陰から現れ、魏延は孱陵の横道から殺到しつつあるということです。兵数そのほか、事態はまだよく分りませんが、なにしろ喊の声は、遠近にひびき、さながら四方五十余里まるで敵に埋ったかのような空気で――そこらの部落や下民どもまで、口々に玄徳、孔明の叫びを真似て――呉客周瑜を生捕りにしろ、周瑜をころせ――と喚き伝えているそうです」

「ううむっ……」

がばと、周瑜は、馬のたてがみに、うっ伏してしまった。

せっかく癒りかけていた金瘡ことごとくやぶれて、ぱっと、血を吐いたかと思うと、そのままくたっと、馬の背から落ちてしまった。

諸将は、仰天して、周瑜の身をかかえ、辛くも救命薬を与えて蘇生させた。ところへまた、物見が来て、

「孔明と玄徳は、ついこの先の山上に、莚をのべ、幕をめぐらし、酒を飲んで、さながら遊山でもしているように、楽しみ興じている態です」

と、告げたので、周瑜はいよいよ歯がみをして、無念の拳をにぎりしめた。