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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁
このままの杯盤では」
「いやいや、構わん」と、一杯うけて、
「ときに、その後は、曹操から何か云ってきたかね」
「あれきり会いませんが、たった今、妙な書簡をよこしたので、飲みながら独りここへ置いて、判じ悩んでいるところです」と、卓の上にひろげてある書面へ眼を落して答えた。
馬超は、初めて、それへ気がついたような顔して、
「どれ、……」と、すぐ手を伸ばして取った。
「なんの意味やら、読解がおつきになりますまい。それがしにも分らないのですから」
馬超は返事も忘れてただ見入っていた。
辞句も不明だし、諸所に、克明な筆で、塗りつぶしたり、書入れがしてある。いかにも怪しげな書簡だ。馬超は袂へ入れて、
「借りて行くぞ」
「どうぞ……」とは答えたものの韓遂は妙な顔をしていた。――そんな物を何にする気かと。
すると翌日、使者が来た。馬超からの召出しである。もちろん、彼はすぐ出向いたが、馬超はすこし血相を変えていた。
「ゆうべ、立ち帰ってから、曹操の書簡を灯に透かしてみると、どうも不穏な文字が見える。御身は、まさかこの馬超を、曹操へ売る気ではあるまいな」
「怪しからぬお疑い」と、韓遂も、色をなしたが、