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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

「それで先頃からの、変なご様子の原因が解けました。言い訳もお耳には入りますまい」

「いや、申し開きがあるならばいってみたがいい」

「それよりは、事実をもって、君に対する信を明らかにします。明日、それがしが、わざと曹操の城寨を訪ね、過日のように、陣外で曹操と談笑に時を過しますから、あなたは附近に隠れて、不意に、曹操を討ち止めて下さい。曹操の首を挙げれば、それがしのお疑いなど、おのずから釈然と氷解して下さるでしょう」

「御身はきっと、それをしてみせるか」

「ご念には及びません」

即ち、韓遂は翌る日、幕下の李湛、馬玩、楊秋、侯選などを連れて、ぶらりと、曹操の城寨を訪ねた。

曹操は先頃から、例の氷城にもどっている。取次ぎのことばを聞くと、

「曹仁。代りに出ろ」

と、居合わせた曹仁の耳へ、何かささやいた。

曹仁は、衆将を従えて、うやうやしく陣門を出てくると、馬上のまま韓遂のそばへ寄り添って、

「いや、昨夜は、お手紙を有難う。丞相もたいへんよろこんでおられる。しかし、事前に発覚しては一大事、ずいぶんご油断なく、馬超の眼にご注意を」

云いすてると、さっと立ち去って、何いうまもなく、陣門を閉めてしまった。