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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
三国志
巫女
一
巫女
一
「なに、無条件で和睦せよと。ばかをいい給え」
郭は、耳もかさない。
それのみか、不意に、兵に令を下して、楊彪について来た大臣以下宮人など、六十余人の者を一からげに縛ってしまった。
「これは乱暴だ。和議の媒介に参った朝臣方を、なにゆえあって捕え給うか」
楊彪が声を荒くしてとがめると、
「だまれっ。李司馬のほうでは、天子をさえ捕えて質としているではないか。それをもって、彼は強味としているゆえ、此方もまた、群臣を質として召捕っておくのだ」
傲然、郭※(「さんずい+巳」、第3水準1-86-50)は云い放った。
「おお、なんたることぞ! 国府の二柱たる両将軍が、一方は天子を脅かして質となし、一方は群臣を質としてうそぶく。浅ましや、人間の世もこうなるものか」
「おのれ、まだ囈言をほざくかっ」
剣を抜いて、あわや楊彪を斬り捨てようとしたとき、中郎将楊密が、あわてて郭※(「さんずい+巳」、第3水準1-86-50)の手を抑えた。楊密の諫めで、郭※(「さんずい+巳」、第3水準1-86-50)は剣を納めたけれども縛りあげた群臣はゆるさなかった。ただ楊彪と朱雋の二人だけ、ほうりだされるように陣外へ追い返された。