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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
二
また、それ以上の役人でも、どうせ朝廟の政務といっても、さし当って何もないので、暇があれば、山に入って木の実を採り、鳥獣を漁り、薪や柴を伐りあつめて来て、辛くも、帝の供御を調えた。
「あさましい世を見るものであります。けれど、いつまでこうしていても、ひとりでに、忠臣が顕れ、万戸が建ち並んで、昔日の洛陽にかえろうとも思われません。――なんとかご思案なければなりますまい」
或る時、太尉楊彪から、それとなく帝に奏上した。
もとより、帝にも、「よい策だにあれば」という思召しであるから、楊彪に、如何にせばよいかと、ご下問あると、楊彪はここに一策ありと次のような意見をのべた。
「今、山東の曹操は、良将謀士を麾下に集めて、蓄うところの兵数十万といわれています。ただ、彼に今ないものは、その旗幟の上に唱える大義の名分のみです。――今もし、天子、勅を下し給うて、社稷の守りをお命じあれば、曹操は風を望んで参りましょう」
帝は、楊彪の意見を、許容なされた。そこで間もなく、勅使は洛陽を立って、山東へ急ぎ下った。
二
山東の地は遠いが、帝が洛陽へ還幸されたことは、いちはやく聞えていた。