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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
三
機なしとせば十年も機なし。活眼電瞬、今こそ、中原に出る絶好の秋ではないか」
と、大声で駁したてた。誰かとみれば、相貌端荘、魏郡の生れで、審配字を正南という大将だった。
三
すると、また一名、
「いやいや、そのお説は、耳には勇ましく聞えるが、一国の浮沈を賭けて、自己の驕慢を満足させようとするようなもの。いわば大きな賭博を打つにも異ならぬ暴挙である」
と起ち上がって、審配の言に、反対した大将がある。
諸人、これを見れば、広平の人、沮授であった。
沮授はいう。
「義兵は勝ち、驕兵はかならず敗る。誰も知る戦の原則である。――曹操はいま許昌にあって、天下を制しているが、命はみな帝の御名を以てし、士卒は精練、彼自身は、機変妙勝の胆略を蔵している。故に、彼の出す法令には、誰も拒むことができない。しかるに――」
「待たれい」
審配は、奮然とまた起って、
「沮授どのには、曹操を讃美して、われらの説は、驕兵の沙汰といわるるのか」
「そうである!」
「何っ」
「敵を知らずして、敵に勝つことはできませんぞ」
「知るにあらず、尊公のはただ怖れるのだ」
「然り、自分は、曹操を怖れます。彼を、先に滅んだ公孫ごときものと同一視されると、とんだことになりますぞ」