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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
四
四
「父上。なぜ、ご返辞がないのですか」
「でも……。いくらわしが、この城の守りに残っていても、城中には、呂布の一族妻子などが大勢いるではないか。――呂布が城門まで逃げ帰ってきたのを見たら、わしが開けるなといっても、一族の輩が承知するはずはない」
「ですから、それも私が、一策を講じてよいようにして行きます」
暗黒の密室にかくれて、父子が諜し合わせていると、隣の武器庫で、
「陳大夫はどうしたのだろう」
「陳登の姿も見えぬが」と、ほかの大将が話していた。
父子は眼を見合せて、しばし息をこらしていたが、隙を見て、別れ別れに出て行った。
「何しておったか」
呂布は、それへ来た陳登のすがたを見ると、一喝した。
無理はない。もう出陣の身支度も終って、閣の外に、勢揃いしていたところである。
陳登は悪びれず、彼の床几の前に拝伏して、
「実は、父があまりにも、お留守の大役を案じるので、励ましていたものですから」と言い訳した。
呂布は眉をひそめて、
「徐州の留守が、どうしてそんな心配になると、陳大夫はいうのか?」
「何分こんどは、今までの一方的な戦争とちがって、曹軍の大勢は、この徐州の四面を遠くから包囲してきております。