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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

名医

一

しばらくするとまた、

「巳の刻となりました」

と、報らせてくる。

日時計は、秦の始皇帝が、陣中で用いたのが始めだという。「宋史」には何承天が「表候日影」をつかさどるとある。明代には影台というのがある。日時計の進歩したものである。

後漢時代のそれは、もちろん原始的なもので、垂直の棒を砂上に立て、その投影と、陰影の長さをもって、時刻を計算したものだった。

砂地のかわりに、床を用いたり、また、壁へ映る日影を記録したりする方法などもあった。

「午の刻です!」

陣幕のうちへ、刻の番の兵が大声で告げると、孫策は、諸将を呼んで、

「南のほうを見ろ」と、指さした。

果たせるかな、太史慈は、三千の味方を誘って、時も違えず、彼方の野末から、一陣の草ぼこりを空にあげて帰って来た。

孫策の烱眼と、太史慈の信義に感じて、先に疑っていた諸将も、思わず双手を打ちふり、歓呼して彼を迎えた。

名医

一

ひとまず、江東も平定した。

軍勢は日ましに増強するばかりだし、威風は遠近をなびかせて、孫策の統業は、ここにその一段階を上がったといってよい。

「ここが大事だ。ここで自分はなにをなすべきだろうか?」