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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

三

小人珠を抱いて罪あり、例の孫策が預けておいた伝国の玉璽があったため、とうとうこんな大それた人間が出てしまったのである。

「むかし、漢の高祖は、泗上の一亭長から、身を興し、四百年の帝業を創てた。しかし、漢室の末、すでに天数尽き、天下は治まらない。わが家は、四世三公を経、百姓に帰服され、予が代にいたって、今や衆望沸き、力備わり、天応命順の理に促され、今日、九五の位に即くこととなった。爾らもろもろの臣、朕を輔けて、政事に忠良なれ」

彼はすっかり帝王になりすましてから群臣に告げ、号を仲氏と立て、台省官府の制を布き、龍鳳の輦にのって南北の郊を祭り、馮氏のむすめを皇后とし、後宮の美姫数百人にはみな綺羅錦繍を粧わせ、嫡子をたてて東宮と僭称した。

三

慢心した暴王に対しては、命がけで正論を吐いて諫める臣下もなかったが、ただひとり、主簿の閻象という者が折をうかがって云った。

「由来、天道に反いて、栄えた者はありません。むかし周公は、后稜から文王におよぶまで、功を積み徳をかさねましたが、なお天下の一部をもち、殷の紂王にすら仕えていました。いかにご当家が累代盛んでも、周の盛代には及ぶべくもありません。