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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

黄河を渡る

一

曹操は、胆を冷やした。そして左右の者へ、冗談半分にいった。

「貴様たちも覚えておけ。燕人張飛という名を、帯の端、襟の裏にも書いておけ。そういう超人的な猛者に逢ったら、ゆめゆめ軽々しく戦うなよ」

黄河を渡る

一

顔良が討たれたので、顔良の司令下にあった軍隊は支離滅裂、潰走をつづけた。

後陣の支援によって、からくも頽勢をくい止めたものの、ために袁紹の本陣も、少なからぬ動揺をうけた。

「いったい、わが顔良ほどな豪傑を、たやすく討ち取った敵とは、何者だろう。よも凡者であるまい」と、袁紹は、安からぬ顔色で周囲の者へたずねた。

沮授が答えて、

「おそらくそれは、玄徳の義弟の関羽という者でしょう。関羽のほかには、そうやすやすと、顔良を斬るような勇士はありません」と、いった。

しかし、袁紹は、

「そんなはずはあるまい。いま玄徳は、一身をこの袁紹に頼んで、ここへも従軍しておるのに」

と、疑って信じなかったが、念のため、前線から敗走してきた一兵を呼んで、

「顔良を討ったのは、どんな大将であったか、目撃したところを語れ」と、ただしてみた。

その刹那を見たという一兵は、ありのままにいった。