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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

七

眼球を抜かれた一眼の窪からあふれでる鮮血は止まらない。もちろん激痛も甚だしかった。

「今はこれまで」と、彼も最期を思ったほど、敵の中に囲まれていたのである。

その重囲を、一角から斬りくずして、彼の身を救って出たのは、彼の弟夏侯淵であった。

夏侯淵は、兄を助けて、

「ひとまず退きましょう」

味方の李典、呂虔の陣へ走りこんで一手となった。

勢いにのった呂布軍は、全線にわたって、攻勢を示し、

「この図をはずすな」と、呂布自身、馬をとばして、押し進んできた。

李典、呂虔の兵は、済北まで引きしりぞいた。呂布は、全戦場の形勢から、

「勝機は今!」と、確信したものか、奔濤の勢いをそのまま揚げて、直ちに、小沛まで詰め寄せてきた。

ここには、関羽、張飛が、「ござんなれ」と、備えていた。

敵を代えて、呂布は、新手の玄徳軍と猛戦を開始した。

高順、張遼の二軍は、張飛の備えに打ってかかり、呂布自身は、関羽に当った。

乱箭の交換に、雲は叫び、肉闘剣戟の接戦となって、鼓は裂け、旗は折れ、天地は震撼した。

だが、なんといっても、玄徳の小沛勢は小勢である。張飛、関羽がいかに勇なりといえど、呂布の大軍には抗し得なかった。