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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
四
捕吏が馳け向った後でも、呂布はひとり忿憤とつぶやきながら待ちかまえていた。
――ちょうど黄昏どき。
陳大夫の邸では、門を閉じて、老父の陳大夫を中心に、息子の陳登も加わって、家族たちは夕餉の卓をかこんでいた。
「オヤ、何だろう」
門のこわれる音、屋鳴り、召使いのわめき声。つづいてそこへどかどかと捕吏や武士など大勢、土足のままはいって来た。
四
否応もない。陳大夫父子は、その場から拉致されて行った。
待ちかまえていた呂布は、父子が面前に引きすえられると、くわっと睨めつけ、
「この老ぼれ。よくもわれをうまうまとあざむいたな。きょうこそは断罪だ」
と、直ちに、武士に命じて、その白髪首を打ち落せ――と猛った。
陳大夫は相かわらず、にやにや手応えのない笑い方をしていたが、それでも、少し身をうごかして両手をあげ、
「ご短気、ご短気」
と、煽ぐようにいった。
呂布はなおさら烈火の如くになって、殿閣の梁も震動するかとばかり吼えた。
「おのれ、まだわれを揶揄するか。その素っ首の落ちかけているのも知らずに」
「待たしゃれ。落ちかけているとは、わしが首か。あなたのお首か」
「今、眼に見せてやる」