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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

二

と、いった。

袁術はまず、一書を認めて、このたび和睦の労をとられた貴下のご好意に対して、満腔の敬意と感謝を捧げる――と慇懃な答礼を送った。

日をはかって、それからわざと二月ほど間をおいてから、

「――時に、光栄ある貴家と姻戚の縁をむすんで、永く共栄をわかち、親睦のうえにも親睦を篤うしたいが」と、縁談の使いを向けた。

もちろんその返辞は、

「よく考えた上、いずれご返辞は、当方より改めて」と、世間なみな当座の口上であった。

先には、和睦の仲介へ、篤く感謝して来ているし、それからの縁談なので、呂布は、真面目に考慮した。

「わるい話でもないな。……どうだね。お前の考えは」

妻の厳氏に相談した。

「さあ……?」

愛しいひとり娘なので、彼の妻も、象牙を削ったような指を頬にあてて考えこんだ。

後園の木蘭の花が、ほのかに窓から匂ってくる。呂布のような漢でも、こういう一刻は和やかな眼をしているよい父親であった。

二

第一夫人、第二夫人、それと、いわゆる妾とよぶ婦人と。

呂布の閨室は、もともと、そう三人あった。

厳氏は正妻である。

その後、曹豹の女を入れて、第二の妻としたが、早逝してしまったので子供もなかった。