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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
二
そこを囲んでいるまに、敵将劉が、小癪にも味方の牛渚の手薄を知って攻めてきたと聞いたので、
「よしッ、袋の鼠だ」と、孫策は、直ちに、駒をかえして、彼の側面を衝いた。
すると、敵の猛将干糜が、捨て鉢にかかって来た。孫策は、干糜を手捕りにして、鞍のわきに引っ抱えて悠々と引上げてきた。
それを見て、劉※(「鷂のへん+系」、第3水準1-90-20)の旗下、樊能という豪傑が、
「孫策、待てッ」と、馬で追って来た。
孫策は、振向きざま、
「これが欲しいか!」と、抱えていた干糜の体を、ぎゅッと締めつけると、干糜の眼は飛び出してしまった。そしてその死体を、樊能へ投げつけたので、樊能は馬からころげ落ちた。
「仲よく、冥途へ行け」
と、孫策は、馬上から槍をのばして、樊能を突き殺し、干糜の胸板にも止めを与えて、さッさと味方の陣地へ入ってしまった。
二
最後の一策として試みた奇襲も惨敗に帰したばかりか、たのみとしていた干糜、樊能の二将まで目のまえで孫策のために殺されてしまったので、劉は、
「もう駄目だ」と、力を落して、わずかな残兵と共に、荊州へ落ちて行った。
荊州(湖北省・江陵・揚子江流域)には一方の雄たる劉表がなお健在である。