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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
三
要するに、戦備の催促である。もちろん劉玄徳は、敢然、協力のむねを返簡した。――呂布が見て怒ったのも当然であった。
「関羽は西門を守れ、張飛は東門に備えろ、孫乾は北門へ。また、南門の防ぎには、この玄徳が当る」
取りあえず部署をさだめた。
なにしろ急場だ。城内鼎の沸くような騒ぎである。――その混乱というのに、関羽と張飛のふたりは、何事か西門の下で口論していた。
三
なにを口喧嘩しているのか。
この戦の中に。
また、義兄弟仲のくせして。――と兵卒たちが、守備をすてて、関羽、張飛のまわりへ立って聞いていると、
「なぜ、敵将を追うなと止めるか。敵の勇将を見て、追わぬほどなら、戦などやめたがいい」
といっているのが張飛。
それに対して、関羽は、
「いや、張遼という人物は、敵ながら武芸に秀で、しかも恥を知り、従順な色が見える。――だから生かしておきたいのだ。そこが武将のふくみというものではないか」
と、諭したり、説破したり、論争に努めている。
玄徳の耳にはいったとみえ、
「この際、何事か」と、叱りがきた。
「関羽、どっちが理か非か。家兄の前へ出て埓を明けよう」
張飛は、関羽を引っぱって、遂に、玄徳の前まで議論を持ちだした。