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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

三

「へい、どうかまあ、これからひとつ、ご昵懇におねがい申します」

と、仁義を切るようなお辞儀をした。

一同もふき出した。けれど、当人は大真面目である。のみならず敵の兵糧倉からは兵糧を奪い取ってくるし、附近の小賊や、無頼漢などを呼び集めてきたので、孫策の軍は、たちまち四千以上の兵力になった。

三

鉄壁と信じていた防禦線の一の砦が、わずか半日のまに破られたと聞いて、劉は、

「一体味方の勢はいたのか、いないのか」と愕然、色を失った。

そこへ張英が、敗走の兵と共に、霊陵城へ逃げこんで来たから、彼の憤怒はなおさらであった。

「なんの顔容あって、おめおめ生き返ってきたか。手討ちにして、衆人の見せしめにせん」

とまで息まいたが、諸臣のなだめに、張英はようやく一命を助けられた。

動揺は甚だしい。

そこでにわかに霊陵城の守りをかため直し、劉みずから陣中に加わって、神亭山の南に司令部をすすめた。

孫策の兵四千余も、その前日、神亭の山の北がわへ移動していた。

そこに駐軍してから数日後のこと、孫策は土地の百姓の長をよんで訊ねていた。

「この山には、後漢の光武帝の御霊廟があるとか、かねて聞いていたが、今でもその廟はあるのかね」