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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
二
その剛胆と沈着な姿に、眼のあたりにいた敵も彼を追わなかった。許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、曹操の前に二つの首を並べ
「これでしたか」と、庭前の落柿でも拾って来たような顔をして云った。
曹操は、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の背を叩いて、
「これだこれだ。そちはまさに当世の樊だ。樊※(「口+會」、第3水準1-15-25)の化身を見るようだ」
と、賞めたたえた。
許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、元来、田夫から身を起して間もない人物なので、あまりの晴れがましさに、
「そ、そんなでも、ありません」と、顔を赭くしながら諸将の間へかくれこんだ。
その容子がおかしかったか、曹操は、今たけなわの戦もよそに、
「あははは、可愛い奴じゃ。ははは」と、哄笑していた。
そういう光景を見ていると、諸将は皆、自分も生涯に一度は、曹操の手で背中を叩かれてみたいという気持を起した。
二
戦の結果は、当然、曹操軍の大勝に帰した。
李、郭の徒は、到底、彼の敵ではなかった。乱れに乱れ、討たれに討たれ、網をもれた魚か、家を失った犬のごとく、茫々と追われて西の方へ逃げ去った。