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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

禁酒砕杯の約

一

――じっと家兄に睨みつけられると、不平満々ながら、やがて沓音を鳴らして立去ってしまった。

「おゆるし下さい。……あの通りな駄々ッ児です。まるで子どものように単純な漢ですから」

張飛の乱暴を詫び入りながら、玄徳はもう一度、自分の室へ呂布を迎え直して、

「今、張飛が申したことばの中、曹操から貴君を刺せと密命があったということだけはほんとです。――が、私にはそんな意志がないし、また、要らざることを、貴君の耳へ入れてもと考えて、黙殺していたわけですが、お耳に入ったからには、明らかにしておきましょう」

と、曹操から来た密書を、呂布に見せて、疑いを解いた。

呂布も、彼の誠意に感じたと見えて、

「いやよく分った。察するところ、曹操は、あなたと自分との仲を裂こうと謀ったのでしょう」

「その通りです」

「呂布を信じて下さい。誓って呂布は、不義をしません」

呂布は却って感激して退がった。――その様子を、ひそかにうかがっていた曹操の使者は、

「失敗だ。これでは、二虎競食の計もなんの意味もない」

と、苦々しげに呟いていた。

禁酒砕杯の約

一

張飛は、不平でたまらなかった。――呂布が帰るに際して、玄徳が自身、城門外まで送りに出た姿を見かけたので、なおさらのこと、